プロローグ

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インドア派の第一人者ともいえる僕が、コミュニケーション能力に優れているわけもなく、つまりはそういう理屈の上で、僕は一人で帰路を歩んでいた それがこの先、幸となるかは知る由ではないが、僕は日課で、帰りに自動販売機を利用することがあった。いや、それは別にこの回想に関わらないのだからどうでも良いのだが 自動販売機を利用し、自動販売機の仕組みを考えながら帰路を歩んでいくうち、僕は無事家に着く。一軒家でもマンションでもない、ただのおんぼろアパートだ 夕食はなににするか、そんな事を考えつつも、僕は家の鍵を空け、中に入る。自分の家なのだから当然だ 冷蔵庫を開けると、何も入ってなかった。僕は自慢じゃないが、読書家で・・・・・・、つうか活字中毒で、生活費を削って本に金を回すものだから、食料が買えないのだ まあ、最近は『携帯小説』とかを読んで、色々と誤魔化していはいるのだが、やはりそれでも本を買ってしまう。まあ、それはもう性質ともいえるものだろう そのうち、夕食はあきらめ、というか面倒くさくなって食べるのをやめ、僕はふろに入り、眠ることにする しかし、腹が減っては戦は出来ぬ。じゃなくて腹が減っていて眠れない。午前零時十三分前に、僕は睡眠をあきらめた 眠気を殺して、部屋の中を徘徊し、体力を削る。きっと今日は、可処分エネルギーを多く残しすぎたから眠れないのだろう、と思ったゆえの行動だ
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