第16章 『満員御礼 後編』

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だけど樹利の言う通り、こうした時に必要な態度がある。 心身共に『御曹司』になりきらずに御曹司を演じて、終わったら元に戻ればそれでいいんだ。 財界という舞台の上で理想の王子を演じて、家庭に帰って素に戻る。 そうだ、役者になろう。 僕の身体には大女優の血が流れてる。 パリスは菜摘の手をキュッと握った。 「パリス君?」 「……菜摘、樹利の言う通り、みんなが僕達のことを喜んでくれて手を振ってくれて、拍手をしてくれてる。 僕達も笑顔で手を振り返そう」 強い口調でそう言ったパリスに、菜摘は恥ずかしさを感じつつも頷いた。
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