二人称にチャレンジ

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――ステンドグラスのような模様を頼む。  あなたがそう注文してきた時にはさすがに私も弱りました。この私はまだ駆け出しで、そんな芸当を熟せる程の練度を積んでいないのですから。 ――何事も挑戦だ。  そんなことをあなたは言いましたね。だけど、あなたが今『剣聖』と呼ばれるに至るまで、どれだけの修練を積みになりましたか? 鍛錬の中で実験的な挑戦をすることがあっても、まさか真剣勝負の時にそんなことはなさならないでしょう?  私にとっての真剣の場はここ。お客様であるあなたに飲み物を出す時なのです。ですから、無理と判断した注文は受け取れません。申し訳ありません。何分修行不足なもので。
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