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付き合ってから、それはそれは楽しかった。
休日にデートをしたり、暇なときのメールや電話、何気ないおしゃべり。
初めてのリア充とやらを満喫していた。
〈愛美、明日暇?〉
少し素っ気ないメールだが、その辺は目を瞑ってもらえるとありがたいところだ。
〈ごめん、明日は部活の先輩とカラオケなんだ💦
本当は彰斗とデートとかしたかったげど…
先輩だから断れないかなぁ(´;ω;`)〉
彼女の気遣いが嬉しくて、ついつい返事が早くなる。
〈気にしなくて大丈夫、楽しんでこいよ〉
またまた冷たい気もするが…
逆に俺がベタベタしてたら気持ち悪いな と開き直りながら、送信完了 の画面を待った。
〈ありがとう✨彰斗大好き♥じゃあね///〉
たった一言の「大好き」で俺の表情筋は緩む。
ちくしょ…なんか自分の顔がキモいぞ…
2時間ぐらいたって、メールの受信音が響き渡る。
親友の高橋光(タカハシヒカル)からだった。
高橋光。
身長は高く、体重は軽い。
そのくせ細マッチョだ。
髪は茶髪で、短すぎない。
一言で言うと「チャラい」。
俺とは違って人見知りもせず、人懐っこくて誰からも愛される男だ。
〈明日スポーツ店巡り付き合え ※強制な〉
丁度明日は暇だし、わがままに付き合ってやるか…
にしても強制って…あいつらしいな…
自然と笑いがこみ上げてきた。
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