上洛

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全員集まったところで、 総司が歩き出そうとする。 千代子が見送りに出ていた。 「いってらっしゃいませ、 気を付けてくださいね」 「チコも、大人しくね、」 千代子は総司の背中をずっと見ていた。 総司はずっと小さな頃から 自分の隣にいたため、 やはり一緒にいるととても安心する だが、急に離れると とたんに不安になってくるから、 彼の存在の大きさに 千代子自信苦笑いしていた。 総司がいなくなると、 千代子は仕事がなくなる。 巡察に行って帰ってくるまでどれくらいかかるのだろうか 長い時間を何もせずに過ごすのは 耐えられなかったので、 隊内の木刀を一本持ち出し、 屯所のすぐ側にある 壬生寺の境内へと向かった。 新撰組はまだ、 あまり裕福とは言えなかった もちろん屯所に道場を作る余裕などなく 彼らは、 壬生寺の境内で よく稽古をしていた。
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