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「おいしい.....」
またしても二人の声が重なる。
あまりに息がぴたりと合うのが
何故だかおかしくて、
目を見合わせて微笑み合う
だが、総司ははっとしたように
きゅうに笑いを引っ込めると
そっぽを向いてしまった、
誰が見ても挙動不審としか
言いようがない行動に
千代子も疑問を抱いた
「組長......?」
顔が見えないが、
耳が赤くなっているのがわかる、
「私、なにかしましたか....?」
千代子には全く心当たりがない。
「いや......違うんだよ、ただ、」
そっぽを向いたまま総司は続けた
「僕、よくここに来るんだけど、
ほら、お松さん......なんだか、姉のような人なんだ。.........姉さんに年が近いからかもしれない」
総司には少し年の離れた
お光という姉がいた、
幼い頃両親を亡くした総司にとっては
お光は親も同然であった。
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