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「思い出といえば、」 「組長は出稽古に行く度生徒に逃げられてその度に悔しがって泣いていましたよね」 仕返しのつもりであった。 「む.......」 総司は少し苦い顔をする 「今でもあれはよくわからないよ、学ぼうという者に、どうして全力で当たってはいけないのか」 「組長は強すぎるんですよ、」 その時泣いていたのと同じような表情をするものだから 千代子は少し焦って続けた 「剣の未熟なものが学ぶには、あなたの技術は大きすぎる」 「どういうこと?」 「圧倒的に強い人とただ対峙しているのは辛いに決まっていますよ、学ぼうにも組長の剣の技術は、未熟な彼らにとって、到底真似なんて出来ないし、」 「.......確かに」 「そもそも圧倒的に差がありすぎて、何かを考える暇もない、考えながら稽古してこそ実力は延びますからね」 「......一理ある」 「それに、一方的に叩きのめされてへこまないひとなどそういないでしょう、自信を削げば、やる気もなくなる」 「確かに.....!!」 「相手より、少し強いくらいに加減し、それに、皆の努力を認めるのです、駄目なところを指摘するだけでは、自分はまるで駄目なように感じてしまう、のびたところを褒めつつ、間違いを指摘するんですよ」 「確かに.......」 「............さっきから確かに、確かに、としか言いませんがちゃんと聞いてるんですか?」 ため息混じりに問いながら 総司の方を見ると、 何かを考えながら ぶつぶつと言っているようだった。 「そうか.....!そうだな!次からは僕も心掛けよう!!」 そして納得したように頷くと 残りの茶と団子を一気に頬張った
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