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「なぁ~っ!ゆゆ!
……おいっ、ゆゆってば!」
「…………んぅ?!」
摘ままれた鼻を軽く擦りながら、
あたしは恨めしげに目に涙を溜め
大好きなお兄ちゃん、
咲良を見上げた。
「後でゲームやろうなっ!」
ニコッと微笑む姿さえ格好いい
お兄ちゃんにあたしは
妹ながら、『これだぁ…!!』と
ため息を漏らした。
南井 百合。16歳。
双子の兄、南井 咲良。
お兄ちゃんは成績優秀。
スポーツ万能。
ピアノとお料理も出来る、
優秀な人…。
異性からモテるのは
間違いなく学校で一番…。
それに比べてあたしは
赤点王でドジ。
ピアノは1週間で飽きて止めちゃったし、お料理も食べれたためしもない。
モテる?って?
んなわけないじゃん!!
兄弟でもあたしたちは
正反対すぎて喧嘩もない。
でも、1つだけ負けないこと
あるんだよね。
「……っ!……………やったあっ!」
「くそっ!ゆゆ、不意打ちは
ズルいぞ~!!!!!
って、また負けてるじゃん……
また、俺食事当番……?」
ゲームとかの反射神経は何故だか
お兄ちゃんに勝てるんだよね!
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