=第2話= 彼氏

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「……ふぁーあっ。」 何気ない昼休み、事件の始まりはここからだったのかもしれない。 『ゆーゆ! 何かよく分かんないけどあの人、 ゆゆのこと呼んでるよーっ?』 親友の雪菜が指差す方には 見知らぬ、男の子の姿。 「っへ…!!?? あたしっ………??!! あの人知らないんだけど……。」 「ゆゆたーん!お主!! ん、まぁいい!!とにかく、 早く行ってきなよぉ~っ」 雪菜のニヤニヤに?マークをいくつも出しながらあたしは 見知らぬ彼に近づいてった。 「…南井 百合ちゃんだよね? ちょっと話したくって…。今いいかな?」 「………はい…? って、、う………うんっ。 いいけど……。」 これは、 これは、 もしかして……………? 人生初の告白ぅぅぅ?! 見知らぬ彼と人気の無い旧校舎に入る。 「急に呼び出しちゃってごめんね。 驚いたと思うんだけど………… 俺8組の佐伯 陣っていうんだ! …………えっと…………、 直球で言っちゃうと…好き…です。 付き合ってくれない?」 ハチミツ色の長めの前髪に 黒い眼鏡。 あたしよりずっと大きくて 白のセーターがよく似合う 俗に言う王子さまみたいな彼。 って…………あ、、、、、 あたし……… 告白されたのっっっ、?????? 「すっごい、びっくりしたって 顔してるね…ぷっ…。 普通呼び出されたらそこ一番に 考えるでしょー、?クスクスッ…」 「や…っ、だって、 告白されたことなかった、、から、 びっくりしちゃって…っ。」 微笑む姿も様になるというか…。 何て言うか、THE 美少年が前で あたしを見つめて微笑んでる訳で、 「あっ…たしっ、! 佐伯くんの事何にも知らないけど…でも、佐伯くんなら付き合って みたいな…って…」 あたし自身初めての彼氏になる のがこんなに優しくて格好いい彼氏だなんて、 昨日までのあたしなら 想像できなかっただろうな…。 「ほ…っほんとにぃ!? まじで!? やべ…嬉し!!!!!!」
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