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出会い。
中2だったわたしには、
小学生のときから、
恋する男 が いた。
そして ある日、
彼に思いを伝えることにした。
そもそも 告白されたことはあっても、
告白したことがない、
奥手なわたしが、
直接告白
出来るわけもなく。…
メールで気持ちを伝えることにした。
「んー…どうしよう…」
「もう、ゆか!気持ち伝えるって決めたんでしょ!」
親友の 川口みなみ に何度悟られても、
メールを送れずに、
そわそわしている自分。
「だって、断られたらどうすんの?…
断られる とかうちの辞書に必要ないし…」
「なんじゃそれ…」
あきれたような目で
私を見るみなみ。
「んー…」
そんな目を気にすることなくまだ悩んでいるゆかに、
「貸して!」
「あ…っちょっと!」
無理やり携帯をとられ、
私が、
思い悩んで作った文章を、みなみが読み上げる。
「 ずっと 好きでした。
付き合って 下さい。 」
「 … 」
「 … 」
「 あのさぁー… 」
先に沈黙を
経ちきったのは
ゆか。
「 このメール送るだけなのに、 至って文章も普通なのに、そんなに迷う ? 」
「 だって … 」
((… 普通 …))
最初に脳裏に
叩きつけられた言葉は
ゆかに対する
反発の言葉でもなく、
゛普通 ゛
ただその一文字だけだった。
「 みなみ ? どうかした ? 」
明らかに様子が違う私に
気付いたのだろうか。
そんな
自分を隠すように、
明るい声で私は言った。
「 ううん。
なんでもない。 」
「 そっか !
……あ゛っ!」
「 え ? なに?」
「 あのー…」
気まづそうな顔で
わたしを見つめるゆか。
そんな顔を
不思議に見つめる私。
「 押しちゃった… 」
そういって
携帯の画面を見せてきた。
その画面には …
[ 送信完了 ]
の大きな文字。
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