スナ命名までの過程《異世フラ。》

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裏オークションの商人集団からアルを救った後、アルと精霊さんが仲間になった。 火の精霊王に、砂の精霊。 異世界1日目にして仲間が豪華すぎる気がする。 『ついてくのは俺だけで充分だ!お前らはさっさと砂ん中に戻れ』 『いやー!』 『とーしにちゅいてく!』 ついてくって言うわりには、すごい仲良いわけじゃないのな。 本当、何のためにくるんだこいつらは。 「とにかく一旦落ち着けよ、二人と………も、あれ?二人?……三人?」 砂の精霊さんってどう数えればいいんだ? 2体?いるけど。 『ふたりでひとちゅ!』 『かぞえりゅときはいち!』 1つらしい。 「分かった……というか精霊さんって呼びにくいな。名前とかつけていい?」 一緒に過ごすんだし、いつまでも精霊さんじゃ距離を感じる。 『にゃまえちゅけて!』 『わくわく!』 わくわくって……なんかもう本当癒されるこの子ら。 よし、精霊さんにふさわしい名前を考えねば。 「うーん…………」 とはいったものの、全然浮かんでこない。 『……チッ、こいつらなんてスナでいいだろ』 『えー!』 『しょんなのー……』 「それいいな」 『え』 『え』 あれ? 俺はアルの考えた名前、かなり良い案だと思ったんだけど。 なんか精霊さんすっごい微妙な顔してるし。 『……マジで言ってんのか?』 「え、よく……ない?」 『………とーしがゆーなりゃ』 『しょれでも………』 ええ!? ちょっと待って、何でそんな泣きそうになるの精霊さん! 「わ、悪い!ちゃんと考え直すから泣かないで!」 『ほんちょ?』 『ほんちょ?』 「うん、考えるから!」 ふう、笑顔に戻ってくれた………あ、そうだ。 「トルコマンチャーイとかどう?」 『え』 『え』 え……これもダメなのか? 『や、やっぱりしゅなでいい!』 『しゅながいい!』 ええー、なんでさっきと意見変わってるの? いい名前じゃんか、トルコマンチャーイ。 「……なんか釈然としないけど、分かったよ。スナで決定な」 『………(名前つけられる前に、名乗っててよかったぜ)』
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