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スタスタ…
「ねぇ！」
スタスタスタ……
「ねぇってば！！」
あたしは１人前を歩く橘に声をかける。
歩くの速すぎなんだけど…っ！
「橘！！」
三度目のあたしの声にやっと橘が立ち止まった。
そしてクルリとあたしのほうをむく。
え…怒ってる？
「な、何怒ってんの？」
「あﾞ？」
「…だ、だから…」
「お前遅い」
あんたが速すぎんのっ！
あたしの言葉に耳も貸さず橘は再び歩いていく。
歩く速さは変わらない。
…速いって言ってんじゃん
必死に小走りでついていくけど疲れてきた。
「…っもう！あたし歩く！！」
橘なんて知らない…！
諦めたあたしはスタスタ歩く橘についていくのを止め歩くことにした。
はぁ…
振り向きもしないし
何だよ……
ゆっくり歩きながら小さくなっていく橘の背中を見ていた。
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