王子様の秘密

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蛍の言葉にあたしは意を決して口を開いた。 …信じてくれるか、わかんないけど 「あのね、さっき体育館裏で『きゃぁぁぁぁー!』 あたしの声は見事に女子の黄色い悲鳴にかき消される。 せっかく人が覚悟を決めて話そうとしたのに… 誰!? 少しイラつきながら悲鳴の元を辿りドアの辺りを見た。 ……う、嘘だ サァッと血の気が引いていく。 「噂をすれば、橘 亮じゃん」 「ホント…って瑠璃!?」 「ゆ、雪乃ちゃん、蛍…」 何で!? 何で橘 亮があたしたちの教室に来るの!? も、もしかして… 「瑠璃ちゃん!!」 急にあたしの名前が叫ぶように呼ばれた。 あたしはビクッとして恐る恐る顔をあげる。 「瑠璃ちゃん!橘くんが呼んでる!!」 き、きたーー!(泣) 「い、いい…」 「何言ってんの!早く!!」 数人のクラスメイトに橘 亮の前まで連れていかれた。 いいって言ったのに… 目の前には笑顔の橘 亮がいる。 …この笑顔に寒気がするのは気のせい?(汗) 「奏枝瑠璃さんだよね?」 「……は、はい」
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