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初めての出来事に困惑気味な私。
依頼人――宮澤さんは、よっぽど気さくな人なのだろう。
私と年が近いっていうことは…20代なのかな。
「そ、そんな!
やっぱり無理です!
そんなことしたら上司に何言われるか分かりません…」
受話器からは笑い声が漏れていた。
『じゃあ、普通に名字教えて』
それなら。
「松嵜……です」
『ありがとう松嵜さん』
――ツーツーツー
電話が切れた音が鳴り響いた。
「あっ…」
思わず声が洩れてしまった。
忘れてた…。
依頼内容。
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