【2】田辺くん。

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あたしの存在なんか無かったかのように笑いあう二人。 何コレ…。 「ちょっと、マサ」 ようやく西野さんはあたしに気が付いたのか、田辺の手を離した。 「ごめん、夕花」 「……」 「あの…」 西野さんの高く甘い声。 耳がキンキンする。 「もしかして…笹野夕花さんですか?」 「そうだけど」 「やっぱりそうだぁ! マサの言う通り物凄い美人で吃驚しましたぁ!」 何で語尾を延ばすの。 意味不明。何が言いたいのあんたは? それに田辺、西野さんにあたしのこと何言ってんのよ。 だけどちょっぴり嬉しかった。 田辺があたしのことを美人だって思ってくれたことが判って。 ちょっと待って。 あたし…コレって…田辺に恋しちゃってるじゃん…。
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