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あたしの存在なんか無かったかのように笑いあう二人。
何コレ…。
「ちょっと、マサ」
ようやく西野さんはあたしに気が付いたのか、田辺の手を離した。
「ごめん、夕花」
「……」
「あの…」
西野さんの高く甘い声。
耳がキンキンする。
「もしかして…笹野夕花さんですか?」
「そうだけど」
「やっぱりそうだぁ!
マサの言う通り物凄い美人で吃驚しましたぁ!」
何で語尾を延ばすの。
意味不明。何が言いたいのあんたは?
それに田辺、西野さんにあたしのこと何言ってんのよ。
だけどちょっぴり嬉しかった。
田辺があたしのことを美人だって思ってくれたことが判って。
ちょっと待って。
あたし…コレって…田辺に恋しちゃってるじゃん…。
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