【3】まる。さんかく。しかく。

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「そんなんだから、千佳ちゃんと上手くいかないんだよ」 「……まあ、千佳のこと嫌いになったわけじゃないし、もうちょっと頑張ってみる」 大輔は、そういいながら、千佳ちゃんにメールを打っていた。 『ごめん。昨日は、俺が悪かった』ぶっきらぼうで、乱暴で、けどそれが大輔の愛情でもある。 長年付き合ってる私に対してもそうであるように、もとい今の彼女である千佳ちゃんに対しては尚更。 千佳ちゃん。本名、佐伯千佳。 私より頭一つ分くらい背が小さくて、肩まで伸ばした髪がいつもフワフワと揺れてるような女の子。 クラスの男子が可愛いと噂していたこともあって、大輔の前にも何人か彼氏はいたっぽい。 小動物みたいな見た目なのに、実家は、バッティングセンター。 中学までソフトボールをしていて、県大会まで出たのだという。 そんな彼女のことは、大輔からの又聞きでしか知らない。正直、千佳ちゃんと呼んでいいのかも分からない。 だから、どこかその千佳ちゃんとは壁があった。昔から、大輔の彼女とは仲良くしてきたはずだったけど、今回はいつもと違う。 ガタンゴトン。 電車が大きく揺れて、身体が勢い良く傾いた。
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