【3】まる。さんかく。しかく。

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* * * * * * 私と春くんが付き合い始めたのは、3ヶ月前だった。 大輔の友達だった春くんが、大輔を通じて仲良くなって告白された。 自然な流れだったし、いいと思った。そこそこカッコよかったし、それに何よりも優しかった…はず。 あの現場を見るまでは。 「ねえ、由希奈、今週の日曜空いてる?映画のチケット貰ったんだけど、日曜まででさ。行かない?」 「あー…」 私は曖昧に答えた。 正直、行きたくはない。というか、別れたい。 …けど、別れられない。 「嫌?嫌ならいいけど…」 「考えとく。もし、無理だったら、大輔とでも行って。あいつ多分暇だから」 そういうと。あ、そうか。と、何に納得したのか、見せていたチケットをそそくさとカバンの中に戻した。 3ヶ月間。この人と付き合ってて、楽しくなかったと言えば嘘になる。 それなりに、デートもしたしキスもした。春くんの部活が終わるまで待ってたりもした。 私なりにつくしたつもりだった。 「なあ、最近、怒ってる?」 「え?」 「今だってさ、俺の話、全く聞いてないし。顔だって笑ってない」 急に、核心をつくような発言に驚きを隠せなかった。
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