528人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめん。もう良い。先に学校行ってるから」
春くんは俯いたまま動かなかった。
それが余計腹が立った。言い訳の一つくらいして欲しかった。
大輔に伝えようか。
大輔のぎこちない笑顔を思い浮かべてしまう。
きっと、千佳ちゃんにも、私に春くんとの関係がばれたことは伝わるだろう。
知らないのは、大輔だけ。
傷つくのは私だけでいい。
大輔まで、悲しませるのは絶対に避けたい。
あー…なんでだろ。
春くんのこと、本気じゃなかったハズなのに。
ノリで付き合って、適当に楽しんで…。
すっごく悲しい。
ポタン。
雫が落ちた。
なんで、こんなに…こんなに…。
「由希奈…?」
最初のコメントを投稿しよう!