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液体ムヒを、右京の目目掛けて飛ばした。
正確にムヒは右京の目に飛んでいく。
その事に気がついた右京だったが、もう遅く目には液体ムヒが入っていった。
「い…ってぇぇ!!」
悲鳴のような声が森に響いた。
右京は、涙目になりながらさっきよりも強く霧都を睨んだ。
"皆さんは、こんな子供のように液体ムヒを人になんて飛ばさないでくださいね"
霧都は何処からともなく取り出したプラカードにそうかく。
「だから、貴様は油断しすぎなんだ、
いつ何時こんなことが起こるかわからないのだぞ」
「誰もテメーみたいに液体ムヒを飛ばさねーから!油断も何もねぇだろ!」
素早く突っ込みをいれる右京。
一応この作品突っ込み担当梓右京。
だんだん喧嘩の視点がずれてきた二人。
次は、液体ムヒの使いどころの喧嘩をしはじめた。
だいたいこの二人の喧嘩は、このように最後まで決着がつかないまま、新たなことで喧嘩をし始めるのが日常だ。
暫くこんな言い合いが続いていった。
二人の体力も限界に近づいてきたとき、二人のことを優しく包み込むような光に照らされた。
その光に驚いた二人は、光の方へと素早く振り替える。
だが、逆光のせいで何が何だか全くわからない。
「…人?」
光の方から、幼い女の子のような声が聞こえた。
天使か?はたまたその部類のものか?
そう考え始めた右京と、霧都。
「あのぉー…
この森で何してんの?」
光に問いをただされた二人は、顔を見合わせて声を揃えて言う。
「「…妖精さがしでーす…」」
「え??」
二人の発言を聞いた光は、黙った。
まぁ、当たり前だが急に、妖精探しだなんだと言われて、返答を返せる方がすごいが…。
暫くの沈黙を破ったのは、光の方だった。
「人間よね?
ちょっと変な人だよね。
大丈夫大丈夫」
一人自問自答を繰り返す光に、霧都は口を開く。
「貴様は何者だ?
まず、名を名乗ってもらおう、何でも礼儀が大切だからな。
何?貴様は挨拶ひとつもできんのか?
なんだ?小さいときにお母さんお父さんに、挨拶の大切さを学ばなかったのか?
あ、でも待て!
礼儀も大切…
だが、挨拶も礼儀も昔から…」
ペラペラ一人で話を進めていく霧都。
どうやら、こいつはなにかに頭が侵食されつつあるようだ。
元々、礼儀にはいちいちうるさい霧都だ。
挨拶の大切さを伝えたい模様だが、なにかに侵食されてしまったため、言いたいことがまとまっていない。
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