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あれ、なんで私あずくんのこと考えてるんだろ。
うーん……あ、男子と二人っきりで歩くのすごく久しぶりだったからかなぁ。
すっごく緊張したな―。緊張しすぎて変な質問とかしちゃったし。
あずくんからしたら、そんな大したことでもないのかなぁ…。
そんなことを考えているうちに、由紀は眠りについていた。
ゆったりと流れる時間。
静かに眠る生徒達の意識はここに在らず。魂はどこか遠くの世界でのんびりと過ごしているようだ。
気持ち良さそうに眠っている生徒達の寝息は、とても穏やかで安心しきった様子だった。
カッカッと軽快なリズムで黒板に公式を書き連ねていた数学教師は、この授業状況に気付く。
ほとんどの生徒が、自分の授業を必要としていないのだと感じたらしく、その後の授業は葬式みたいなものだった。
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