【開 幕】

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「どうかしたの?」 こちらに歩み寄る由紀。 「あ、うん。……さっきのことだけど、 俺、由紀に怒ってたわけじゃないから」 「え……そーだったの? はぁー、よかったぁ!」 心から安心する由紀の姿に、俺の心は舞い上がった。 うをぉぉー! 俺、嫌われてないかも! まじでよかったぁ……もー、本当よかったー。 「当たり前だよ。由紀はなんも悪くないし。……悪いのは全部おにぎりだし――」 誤解を解くため、必死で話そうとしたとき―― 俺は背後の気配に気づいていなかった。
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