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バシーン! という音と共に、後頭部に爆発的な痛みが生じた。
このしなやかで、かつ、重みのあるの衝撃……。
『マサムネ』だ。
今までに何度も叩かれたことがあるが、この痛さにはどうしても慣れない。
痛さのあまり膝から崩れ落ちた。
「痛ってぇーー!」
俺は頭を押さえながら悶えた。
「川瀬ぇ……まだ俺の指導が足りないようだなぁ! 」
鬼のような形相で梓を睨みつけるおにぎり。
「うわー、痛そう……大丈夫?」
しゃがみ込んでこちらを覗き込む由紀。
顔近い……しかもそんな目で。
由紀のキラキラした瞳と目が合う。
なんだか痛みが消えていく気がする。だが、一時の幸せは短いものだった。
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