【開 幕】

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「全くー! ……あのバカ教師、なんにもわかってないんだから」 純系の茶色がかった長い髪を耳にかけ、呆れたようにつぶやく夏帆。 「佳祐って、いつ戻んの?」 「あー、佳くんなら本当に話があるみたいよ? 時間かかるとか言ってたし……」 すぐに夏帆が答えた。 「そっか。じゃあ、とりま教室戻ろう」 そう言いながら、膝を立ててゆっくりと立ち上がった。 「うん、お腹すいたしね!」 元気よく返事をする由紀は、呼応するようにさっと立ち上がった。 「あら、二人とも仲直りできたじゃないの。しかも、さっきより息ぴったりになっちゃって」 その言葉に頬を赤くして照れる二人。 なんだかんだで、また普通に話せるようになった。 これは一応、おにぎりのおかげだな。……いや、もともとはあいつのせいで俺は……。ぐぅ、やはりやつは敵だ。 放課後は指導かー。なんとか見つからずに帰ってやるぜ。
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