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「その子って、アレだな。あの、七海 由紀だろ?」
思わず吹き出してしまった。
そんなあっさり言うな。しかも当てるなよ!
「……なんでわかったんスか!?」
「アホか。生徒の事情ぐらい把握してるわボケ」
その言葉を、ヤツが言ったから余計に腹が立った。
「お前にはもったいないぐらいいい子だな。昼の礼儀正しさっつったら、普通の高校生に見えなかったなー。しかも! 何を話すかと思ったら……」
「…………」
いきなり話すのをやめるおにぎり。続きが聞きたくて仕方がない様子の梓に、小さな笑みを浮かべ、おちょくるように軽く目を逸らした。
ぐぅ、なんだこいつ……腹立つなー! しかも『もったいない』ってお前は由紀の親か。ってかこいつと由紀は何話してたんだ? かなり気になる……。
俺は座っていた椅子から、深く座り直して問い掛けた。
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