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「あのー、なに話してたんすか?」
神妙な面持ちで様子を伺う梓。
「ハッハッー! 教えてほしいか? 教えてほしいのか小僧」
なぜそんなに楽しそうなんだ。しかも発言が幼い。生徒に『小僧』って……。少しは教師としての自覚を持ってもらいたいが、今はそれよりも由紀のことが聞きたい。
「はい。教えていただきたいです」
そう言って、礼儀正しく膝に手を当てて、深くお辞儀した。
屈辱的だぜ。今世紀最大の恥だ。
おにぎりはささっと椅子ごと近づき、顔を伏せたままの俺の耳元まで顔を寄せてささやいた。
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