【初 幕】

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空腹と寝不足の身体は、悲鳴を上げながらもよく頑張った。 その結果、三十分程で仕事は片付いた。 「はあー 終わったー! あずくん、お疲れさま」 「お、おう」 「うーん……時間すごく余っちゃったね。みんなが来るまで、あと1時間以上もあるし。どうしよ――」 そのキラキラした瞳で俺に様子を伺ってくる由紀。その瞳が俺を見つめるだけで、身体の動きは抑止され、硬直状態に陥る。 これはヤバい。 いや……今だろ。 この最高のタイミングで言うしかない! 俺はそのために早く起きたんじゃねーか! 脈打つ早さは急上昇。 気づくと身体は熱くなっていて、顔が赤くなっているのがわかった。だが、もう顔の色とかどうでもいい……伝えたい。 「どうしたの? ……あずくん?」 大きく深呼吸し、喉の震えを押し殺して声を発した。
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