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ピカッ! ゴロゴロー、ドカーン!!
凄まじい稲妻が、天から降ってきた。ここからすぐ近くに堕ちたらしく、音はかなりのものだった。
それと同時に、ポツポツと雨が降り始め、数分で土砂降りの雨となった。
え? ……さっきまで星がいっぱいの夜空でしたけど、あの星空は何処へ?
ポカンと突っ立っている梓を引っ張ってテントへ引き入れる佳祐。
「ひどい雨だな。さっきまであんなに晴れてたのに……」
心配そうに呟く佳祐。
「みんな平気かな―。まだ帰って来てない人もいるけど……」
「そーだな。止んだら再開したいけど、この雨じゃ当分止まないな。石原〇純め、嘘つきやがって……今日は晴れるんじゃねーのかよ!」
佳祐さんや、誰に八つ当たってるんだい?
その間にも雨はゲリラ豪雨の如く激しくなる。
暫くの間、テントの中で待機していると、鳥居からいくつかの人影か見えた。
ずぶ濡れになりながら、こちらへ走ってくる友宏たちだった。
「うぉー! めっちゃ濡れたー!」
すぐさま友宏たちにタオルを渡す執事さんたち。さすが、準備が良いですね。
さらに身体を暖めるため、おしるこを配り始めたニタさん。夏に『おしるこ』とは、横田家はやることが違うぜ。
あれ? ……そう言えば由紀の姿が見当たらない。
現状で一番最後に出発した由紀のペアは、少し遅くなるとは思ったが、さすがに遅すぎる。
すると鳥居から、またもや人影が現れた。だが、人影は一つだけ――
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