1995年の出来事

2/68
前へ
/347ページ
次へ
僕は嫌な夢を見た気がして飛び起きた 運転席に乗っていた、父親が心配そうに声をかける 「大丈夫か…国谷」 国谷…とは僕の名前だ…僕は 七野瀬(しちのせ・くにや)、殺人科の刑事をやっている… そして運転席の親父も刑事、んで名前は七野瀬珠緒(しちのせ・たまお)だ 「ああ…うん、ちょっと変な夢を見ただけだよ、それよりも、もう着きそうなのか…喜善村には」 僕の言葉を聞いて、親父はコクりと頷いた 僕達が向かっているのは、去年殺人事件が起きたという村だった…死んだのは17人、しかも一人を覗いて同じ殺されかたなのだそうだ、巫女の予言通りの、背中に刃物で刺され殺されるという、酷い殺されかただそうだ 「親父はどう思うんだこの事件、村の人口はせいぜい50人から60人なわけだろう、たった一週間で、4人に1人ぐらいが死んでいるわけになる…ありえないだろ…いくら何でも」 「ああ…そうだな、そしてそれが恐らく今日また起こる可能性があるんだ、その時に私達親子が事件を解決しようではないか」 「そうだな」 僕は少し一息つくと、村に着くまで同じ資料を読み続けたのだった
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加