892人が本棚に入れています
本棚に追加
『…うん、ごめんね。』
「…本当に本当に心配したんだから。」
『うん。』
「あんたなんか様子が変だったし、」
『うん』
「なんかあったんだろうなって思ったけど、」
『うん』
「あんたはきっと、“希咲が心配するから”って、言わないだろうし。」
『…うん』
「あんたが言いたくないなら、あんたから言ってくるまでは待ってようって思ったけど、」
『うん』
「っ、突然いなくなるし。」
『…ごめんね。』
小声でやりとりされる会話。
きっと周りには聞こえてない。
……ああ、だからか。
だから希咲は、私との距離をなくしてくれたんだ。
周りには、私が聞かせたくないだろうと思ってくれているから。
最初のコメントを投稿しよう!