小さな愛の詩

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小さな愛の詩

ここは人間と人間ではないものが混在する世界。 人間は『それら』を敵と見なし、 『それら』は人間を餌と捉えてきた。 つまり、この世界でのピラミッドの頂点に立つのは人間ではない。 人間以上の身体能力、頭脳、知識を持つ『それら』が この世界の頂点に立っていた。 しかし、昔は人間も『それら』もみな平等に 優劣なく暮らしていた。 『それら』が創り出した魔術を人間が教わり 人間が『それら』に地を耕すこと、人と関わることなどを教えた。 そうやって我々は生きていた。 だが、ほんの数百年前。 ある人間が魔術の独占を狙った。 我々人間に手を差し伸べてくれていた『それら』の腕を切り落としたのだ 造作もない。ほんの一瞬のこと。 人間は貪欲だった。 それに嫌悪を覚えた『それら』は無差別に我々を襲い それから我々の間では緊迫した油断のならない時が現在にまで至る。 そして、『それら』魔を司るものたちの世界をイグアルと呼び、 我々、人間の世界をメディストを呼んだ。 これは2つの国から追われた者の小さな愛の物語である。
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