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一週間のハネムーン旅行から沢山のお土産を抱え帰宅した彩値夫婦に待っていたのは…
紗耶香が2日前から危篤状態と言う事実…
病院に駆けつけた2人…
沢山の機械に囲まれたベッドに
いくつものチューブに繋がれ横たわる
最愛人…
「お父さんっ!どうして!?何でよ…
どうしてこんな…どうして連絡くれなかったのよ………」
「彩音…」
雅人なの肩を抱かれ泣きじゃくる
「すまない…お母さん……もう長くはないとお前達の結婚が決まった頃言われてたんだ…
でも頑張ったんだ…
彩音の花嫁姿が見たいって…
きっと体は辛かったろうに…
最後に…2人の幸せな姿を見たいって…」
「そんな……せめて言ってくれたら…」
「彩音…お父さんの気持ち分かってあげよ?
お父さんだって…辛かったはずだよ…
お母さんの為。なんだよ…
お母さん喜んでくれてたでしょ?」
「でもっ!……」
「すまない…お母さん…ハネムーン楽しんで欲しいって…
もう…目も開けられないのに…彩音からくるメールを読み上げてやると…唇と瞼が僅かに動くんだ…きっと喜んでるんだよ…
今も…2人が来てくれて喜んでると思う…
だから…早く声をかけてやってくれ…
もう……お母さんの命の灯火が……」
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