7人が本棚に入れています
本棚に追加
『君が僕に話してくれたら、僕に望めば、僕は君を助けよう。』
少女は少し
目を伏せた。
少女は何故か彼の言葉に
重みを感じました。
確かさを。
でもこんな奴を
信用しても良いものか
少女の頭はまた
ほんの少しだけ動き始めました。
そして決断しました。
少女はワイドに
昨日の旅人のこと
今朝の両親のこと
自分はこの理不尽な
世界を憎んだこと
少女はポツリポツリ
ゆっくりと
ワイドに伝えました。
そして彼女は望んだ。
『旅人を産んだ…こんな世界…パパとママの居ない世界なんて無くなっちゃえばいい。』
するとワイドは
口で三日月を作った。
『やっぱり君は僕と同じ事を望んだね。』
少女が首を傾げたので
ワイドは繋げた。
『理由は少し違うけど、僕もこんな世界を消してしまいたかったんだ。』
そしてワイドは漆黒の翼を広げて
言いました。
『君、堕ちる覚悟はあるかい?』
最初のコメントを投稿しよう!