第1話

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「志井菜穂子さんだよね? 昼休み、屋上に来てくれない?」 「何で?」 「伝えたいことがあるから」 何だろう? 伝えたいことって。 全然話したことなんてないのに。 ちゃんと話したことなんて、今が初めて。 なのに一体あたしに、 何を伝えようとするのか? 「菜穂子! あの文也くんに話しかけられたね!」 「いいや別に、あたしはそこまでうれしい訳じゃないよ。 それに屋上とか行きたくないよ」 「え?何で?」 「ただ単純に、 階段を上るのが面倒なだけ」 きーんコンカーコン いつの間にか、 授業開始の合図が鳴る。
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