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ボケてるのか本当なのかよくわからない純の行動に諦めて、仕方なく再び純の手を引いたソル。
「次はないからな」
「おん…」
手を引いてくれてどこかホッとしている純は、改めてソルに感謝した。
それからして、だいぶ歩いた二人は、村の高台を目指すことにした。
高台からであれば、村を全貌でき、いち早く皆を見つけれるかもしれないという純からの案だった。
「高台は、あの森の中やから、来た道戻らなアカンわぁ」
目が見えない純だが、森は緑一色なのでだいたいはわかる。
来た道の方向に森が見えるためそう言った。
「そうだな」
その言葉に頷いたソルは再び歩き出す。
のだが、
ソル達を阻むかのように、不気味に揺れる人影が見えた。
明らかに、普通の人とは違う動きで動いているため、身を構えてしまう。
純はさっきまでの雰囲気と違うソルに、どうしたのかと、おどおどしていた。
「お前、ここに隠れとけ。そう簡単には進めそうにもない。後で迎えに来る」
と、言ったソルは、民家の植木の影に純をつれていき隠れさせた。
あまり、状況を把握出来ていない純はただ頷くしかなかった。
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