第一幕 Ⅱ,儀式

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「頼むから開いてくれよ……」 今の今まで開かなかったボールに祈りを込めて、堂々と前に出てきた。 ソルに気づいた不気味な人影は、明かりに照らされると、息を飲むほどの出で立ちだった。 目から血を流し、肌は青白く、薄笑いでこちらを見ていたのだから。 「……おっかねーな。これじゃ、悪党の方がまだましだ…」 どんどんとソルに近づいてくる不気味な人に対してそう言った。 そして、3mくらいの近さになるとソルはボールを投げた。開くことを願って。 願いが叶ったのか、そうではないのかはわからないが、ボールは不気味な人の顔面にぶつかり、ボールはその衝動で割れて、中にいたサーナイトが出てきて、不気味な人は、そのまましゃがみこむと、まるで正座をするかのように丸くなり、湯気のような白いモヤが出ていた。 「開いた……いや、ボールが壊れたのか」 サーナイトの姿を目視でき、顔が自然とほころんでしまう。 [マスター、あの目から血を流している方が倒れているうちに、あの女性を連れて高台に行かなくてはならないのでしょうか?] サーナイトは、ボールの中で今までのことを見ていたため、高台へ行くようにソルに促そうとした。
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