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サーナイトに言われて気付き、純を連れて歩き出す。
運よく、森の入り口までは、不気味な奴には出会わなかった。
だからと言って、気を抜いてはいけない。
「なぁ…、なんか音みないなん聞こえへんか?」
うっすらと、森の中から何かの音が聞こえた純は耳をすませる。
ソルには聞こえないのか、よくわからなそうな顔でいるが、森の中に入るにつれて、音が大きくなったので、嫌でも気づく。
なんだか、民謡のようにも聞こえる
「どこから…鳴ってるんだ?」
音がどこから鳴っているのかわからず、それがかえって気になる…。
[左の前方から聞こえます]
サーナイトはどこから鳴っているのかわかったのか、二人にそう告げた。
ソルは頷いて、その方向に足を進め、純も後をついていった。
音が一番大きく聞こえる近くまで来ると、ソルは驚いた。
開けた場所にお供え物が乗った祭壇があり、そこを円を描くように数えれる程の人が並んで、その中心に、黒いベールを被った人がいたのだ。
それだけであれば何かの儀式に見える。
しかし、黒いベールを被った人は、腕を剣と鎖で繋がれてのた打ち回り、まわりの人々は、狂ったように民謡を歌っている。
「嫌だぁあ!!やめろぉお!!」
のた打ち回っている人は、もがくように声を張り上げ、その歌を拒んでいるようだった。
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