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今思えば、廃村にしちゃ、電気は通ってるし、民家の植木も手入れをされていた。
なんとなくだが、薄々この村の異変に気づいていた自分もいたかもしれない。
「うち、この村の謎めっちゃ気になるわぁ!」
謎が深まるこの村に興味を持ち出したのか、純はどことなく生き生きとしていた。
「てかお前って…何のためにこの村に来たんだ?」
純の発言を聞いて、この言い様からにしては、初めこの村の事は全く興味がなかったと聞き方が出来る。
だとすれば、何のためにこの村に来たのかが無性に気になったのだ。
「あれ?言ってへんかった?うちは、大学の先生と一緒にこの村の調査に来たんや。うちはその先生の門下生で、たまには先生の手伝いしたろう!って思うて、ついてきたら…変な津波に遭うわ、変なサイレン鳴るわ、ましてや津波に流されてもうて先生とはぐれてメガネ無くすわで…」
淡々と、成り行きのことを話す純だが、段々とネガティブな事を言い出し、しまいには、ため息が幾度となく出始めた。
それを聞いていたソルだが、一つ気になる点があった。
「その先生は、何の調査でこの村に来たんだ?」
「……わからん」
少し間が空いた後に、純はそう言った。
純はただついてきただけなので、何の目的で、何の調査をするのかちゃんと聞いてなかったらしく、申し訳無さそうにしていた。
しかし、一つわかったことがあった。
純は肝心な所でポカすことだった。
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