第一幕 Ⅲ,盲目少女

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二回目のサイレンがなる前のこと。 ショウタは、プレハブ内で必死に警官をやり過ごしていた。 警官はなかなか、プレハブの近くから離れず、ずっとショウタの事を探している。 「困ったな…」 左胸の撃たれたところを右手で押さえながら、プレハブの窓から外の様子を伺う。 拳銃を持っていなければ、何とか対抗が出来るのに、相手はそれを持っているので、生身の自分がどうこう出来る相手じゃない。 ましてや、殺されてしまう。 壁にもたれて、試行錯誤の事を考えた。 すると、プレハブ内の机の上に、外からの光で何かが光っていた。 多分、金属なんだろうと思いながら、そっと机の上を見たら、何かの鍵が置いてあった。 その鍵には緑色のタグがついており、"軽トラ3"と書かれていた。 外に一台のトラックがプレハブの横にあったのをショウタは思い出す。 もしかしたら、軽トラに乗って警官から逃げれるかも知れないと、思ったショウタは、すぐさま行動に移した。
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