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「僕はさ、お前のこと嫌いだよ」
「奇遇だな、俺も君のこと嫌いだな」
そう言い返せば彼は顔を歪める。
苦虫を噛み潰したような顔とはまさにこと表情のことを言うのだろう。
しかし彼の場合は苦虫どころじゃないように思える。
そこがまた可笑しかった。
「…なんでお前はいつもヘラヘラヘラヘラしてんだろうな」
苛つく彼を見て、俺も苛つく。
彼が泣いているとき、俺は笑う。
彼が笑っているとき、俺は泣く。
なのに彼が苛ついているときは、俺も苛つく。
そんな風になってしまった関係だから、これからもこのまま続いていくのだろう。
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