さよならとはじまり

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2時間くらいだろうか。 私の目的の地がアナウンスで流れた。 この車両にはいいか悪いか私しか乗っておらず、 もし仮に他の車両に人がいても このアナウンスを聞いて立ち上がったのは私だけだろう。 そう一人で納得していた。 平日の始発。むしろ下りの電車だとすればそう思うのも無理はない。 なのにホームに降り立ったとき ふと横を見ると2つ奥の車両から人が降りてきたのを見た。 私はなんとも言えない敗北感を覚えたがそこまで気にもとめずに歩き出した。 「さ、寒い…」 改札を出たと同時に寒さと一度も足を踏み入れたことのない地に来たアウェイ感が私にはあったのだ。 ケータイの地図を片手に
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