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果たして梅雨は必要なのかと毎年考えてしまう。
吸い込んだ空気の湿っぽさに嫌気が差し、生乾きの様な臭いのTシャツに不快さを感じる。
こんなジメジメした夜に決まって出没する『奴ら』
今日だけは出てくれるなよと俺以外いないはずの部屋で小さく呟く。
今晩こそ彼女に告るんだ!
『好きだ』
そんな一言が言えずズルズルと友達の様な関係を維持していた。
周りからは早く付き合えと言われいるが決定的な言葉をまだ伝えていない。
散々友達として一緒にいて今更感は否めないがやはり伝えなければ始まらない。
ピョン
ただならぬ気配が背後に
ピョン、ピョン
「ぅおっ!来やがったな」
振り返ると視界に入る黒い生き物。
ピョン、ピョン、ピョン
この部屋にお前が出入りする程の隙間があるのか?
「言った矢先にこの野郎」
俺は手探りでアルミ缶を探し厳戒態勢に備える。
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