242人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい、そうです。稲葉春樹って言います」
「うわ~、うれしいな~!やる気になってくれたの?」
「…はい。それで、すごくお話ししにくいんですが…報酬のことなんですけどーーー」
と、俺は報酬について話し始めた。
え?
なぜあんなに嫌がってたのに急にモデルをやる気になったかって?
それについては話せば少し長くなる…。
※※※
2時間前。
「な、なんじゃこりゃ!?」
と、一枚の紙を見て俺は驚きで声を荒げてしまった。
そこには『お支払い額:150,000円』と言う文字が書かれていた。
その紙は、いわゆるクレジットカードの明細書と言うやつだ。
カードの請求は両親から毎月の生活費が振込まれる口座から引き落とされるようになっている。
口座には無駄遣い防止のために毎月、必要最低限の額しか振込まれないことになっていた。
それを俺はやり繰りして生活していたわけだが、見覚えのない額の請求が来ていたのだ。
「まさか、架空請求かなんかか?」
と考えていると、一つ気になる文字が目についた。
最初のコメントを投稿しよう!