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それはカードの使用日である。
「9月5日って…」
俺の記憶が空白の日である。
まさか女の人格が勝手につかったのか?
「でもいったい何を買ったんだ?増えた物とかあったかな…あ!」
あった。
俺は急いで自室のクローゼットを開いた。
そこには女性物の服が大量に収められている。
「母さんが俺に着せるために買い込んだやつかとおもってたけど…」
服のメーカーを見てみると、カードの請求先と一緒だった。
どうやら女の人格になっていた間に衣服を大量に買っていたらしい。
「くそ、しかもなんで有名ブランドばっか買ってんだよ…」
そしてそれらの服はすでに全て着られた後なのか、値札がすべて外されている。
これでは返却もできない。
「まいったな…。とりあえずどうにかして払わなきゃだけど…」
今月の残りの生活費や俺の全財産をあわせても15万などといった大金にはたっしない。
また、誰かに借りるのもおこがましい額だ。
バイトをする手もあるが振込み期日は明後日。
そんな短期間で15万も稼げる仕事はまともなものはないだろう。
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