体育祭

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※※※ あ~、やっぱ恥ずかしい。 くそ、早く終わってくんないかな…。 応援を初めてから数秒で俺は音を上げそうになっていた。 なぜなら、意識すれば意識するほど観客の目線が全部自分に向けられているような感覚に襲われるからだ。 しかもみんな写真とかビデオで撮ってるし…。 頼むから俺の黒歴史をデータで残さないでくれ…。 そんなことを考えながらも、今まで練習してきた振り付けを完璧にこなしていく。 「…ん?」 応援が中盤に差し掛かったところで俺はあることにフと気がついた。 1人の男が俺ばかりにカメラを向けていることに。 最初は自意識過剰なだけかと思ったが、注意深く観察していると間違いではないことが分かる。 なんなんだあいつ…。 許可証付けてるから怪しい人ではないんだろうけど…俺だけ撮ってるのは怪しいだろ? なんとなく嫌な予感がする中、俺はチアリーダーの振り付けをこなしていった。
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