242人が本棚に入れています
本棚に追加
※※※
「は~、疲れた。これで地獄ともおさらばだ」
無事に応援合戦を終え、俺は解放感に包まれながら、自分のクラスの応援席に戻る。
そこでは志保と美咲が待っていてくれた。
「お疲れさまです。あ、これどうぞ」
と、志保がふわっとしたやわらかいタオルを手渡してくる。
「ありがと」
俺はそれを受け取り、額に浮かぶ汗を拭った。
あ、いい匂いがする。
「これでまたあんたのファン増えちゃったかもね」
と、茶化すように美咲が言う。
「うっせい」
男にモテたってうれしくないやい。
「ふふ、ファンが増えるのはもちろんだけど、チア姿の写真が売買されるのも間違いないと思うわよ」
いやいや、さすがにそんな物まで出回ったら俺、何しでかすか分かりませんよ?
って、今の声はもしや
「え?うわ、会長まで見に来てたんですか!?」
どこからあらわれたのか、突然会長が俺たちの会話に加わってきた。
「当たり前じゃない。私の春希さんの晴舞台ですもの」
「は、春希さんは会長さんのものではないと思います!」
「そ、そうよ!そうよ!」
と、会長の冗談に志保と美咲が敏感に反応した。
最初のコメントを投稿しよう!