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「ふふ。二人とも慌てちゃって可愛いわね。私、あなたたちのことも好きよ」
と、会長が言う。
その言葉で二人は顔を少し赤らめてしまい、下を向いてしまった。
さすが女の子が大好きなだけあって、あんな恥ずかしい台詞をさらっと言ってのけるな。
てか『あなたたちのこと“も”好きよ』ってことは、やっぱ俺も含まれてるんだよな。
そんなことを考えると、恥ずかしさのあまり、俺の顔まで暑くなってきた。
そんな空気を一変してくれるかのように、一人の男が近づいてきた。
「あの~、ちょっといいかな?」
と、男が声をかけてきた。
「え?あ、はい。大丈夫ですけど…ああ!」
男の顔を見て俺は驚いた。
なぜならその男は、さっき俺のことばかり撮っていた怪しい男だったからだ。
「なに大声出してるのよ」
と、美咲が呆れ口調で言う。
「いや、この人さっき私のことばっか撮ってたからさ…」
そう俺が言うと、美咲と志保が怪しむように男に目線を向けた。
「え?気が付いてたの?いや、てか違うんだ。あれはやましい気持ちとかはなくてーーー」
「そんなに警戒しなくても平気よ。この人は国井さんと言って、私が雇ったプロのカメラマンだから」
と、慌てている国井さんの代わりに会長がフォローに入ってきた。
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