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「そんなこと言わないでさ。ほら!すっぴんなのにこんなに可愛く撮れてるんだよ?」
と、国井さんは先程のチアの写真を見せてきた。
「う…」
自分で言うのもなんだが、確かにかわいい…。
てか、かわいく撮れすぎていると思う。
このことから国井さんはプロの、しかも凄腕のカメラマンであることが理解できた。
そんな人が見込んでくれたのだからデビューすれば売れるに間違いないと思う。
しかし、それでも俺はモデルなんかになるつもりはない。
なぜなら早く元の体に戻りたいので、デビューしたとしてもすぐにやめることになるかもしれないからだ。
「わ、私なんかよりも会長の方がモデルに向いてると思いますよ?」
と、話をそらすために会長に話をふる。
「会長さんはとっくに断れてるんだよ」
と、残念そうに国井さんは答えた。
「私はやってみてもいいんだけど、お父様がお許しにならないから断ったのよ」
と、国井さんの答えに付け加えるように会長がいった。
どうやら資産家の父親は、娘を世間にさらすのを断固として反対しているらしい。
確かに会長ほどの見た目を持ち、それが資産家の娘なら言い寄ってくる男がたくさん湧きだすのは目に見えていることだ。
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