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 尚美は初夏の太陽を見上げ、汗ばんだ額に手を翳した。  オフィスビルを抜け出すと、午後の大都会の空気でさえ時として新鮮に感じる。 (ホッとするわ)  午前中の仕事を何とか片付けはしたものの、既に午後2時近かった。  なのに彼女は空腹感をあまり感じてはいなかった。 (今日は遅くまでかからないから、お茶だけにしておくかな)  尚美は青々と葉を繁らせるポプラ並木の通りを2ブロックほど歩き、馴染みのカフェでアイスラテを注文した。
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