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席に着くまでに、ふと脇のポケットに入れたままにしていた携帯電話を手にすると、尚美の脳裏に昨夜の記憶が蘇った。
尚美は友人のミチコから招待された、携帯電話のコミュニティサイト「小さな恋の物語」のことが気にかかっていたのだ。
(小さな恋の物語? 女の子だけのSNSなのに恋の物語なの? いっそ秘密の花園とかにすればいいのに)
いつもの店は、ランチタイムを過ぎていたせいか、三割程度の客しかいなかった。
尚美は注文した飲み物を受け取り、窓際に沿って作り付けられた長いカウンター風の席に座った。
そして携帯電話を開き「自己アピール」の項目に入力した。
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