記憶喪失前

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「好きに、決まってんじゃん 」 二十四時間前 「 やっぱ、祐二って奏のこと好きだよね~ 」 最初は何でもなかった。 嫌みで言った私の一言が始まりであった。 ファミレスでドリンクバーをたのみ、ワイワイガヤガヤと学校の話をしていた。 「 何バカ言ってんの、蒼空だって俺のこと好きなんだろ 」 祐二はわざとらしく言ってきた。 私はその一言に大きく反応を露にした。 ドクンドクンと鼓動を打つリズムは速くなる。 (そんな、わけ) 一生懸命に言葉を出そうとするも喉の先で言葉が死ぬ。 「 なに、言ってんだし 」 一生懸命作った言葉はカタコトで、もちろん気持ちなどバレてしまう。 気持ちを察した祐二も顔を赤らめる。 「 俺のこと、嫌いなの? 」 祐二の言葉は震えていてそっぽを見ている。 ……………私、祐二が好き? 冗談半分で聞いているんだろうと思い、その言葉を遊びだと考えていた。 「 冗談、上手いね 」 その言葉を発して祐二の方を見るが、頬には涙が一筋流れていた。 見てないふりと私は再びそっぽを向く。 …………本当の所とても気になる。 「 俺は、蒼空のこと好きだけど 」 大きなもやが一つ、私の思考能力を止めた。 これまた私は嘘だと頭で捉えさせ、 「う、そだよね 」
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